鉄筋コンクリート(RC)造建物の解体費用と解体方法【解体業者が解説】

鉄筋コンクリート(RC)造建物の解体費用と解体方法【解体業者が解説】

1. 鉄筋コンクリート(RC)造の解体費用の相場

鉄筋コンクリート造の建物を解体する際の費用は、一般的に坪あたり6～8万円とされています。しかし、解体費用には幅があり、建物の条件や立地、解体業者の設備と経験によって大きく変わることがあります。

解体する対象の建物の条件

解体費用を左右する主な建物条件は以下の通りです：

• 隣地との距離：建物が隣接している場合、大型の重機を使うことが難しく、手作業が増えます。手作業での解体は時間がかかるため、費用が増加します。また、振動や騒音の問題も生じやすく、クレーム対応のための追加コストが発生する可能性があります。

• 前面道路の幅員：前面道路が狭いと、大型の重機やダンプカーが入れず、重機の小型化や運搬の手間が増え、費用が上がります。特に、工事車両が駐車できるスペースがない場合、近くのコインパーキングなどを利用することになり、その費用も上乗せされます。

• アスベストの有無：アスベスト（石綿）含有建材がある場合、その除去には専門の技術と設備が必要で、アスベストレベル（危険度）によっては、隔離養生や特殊な処分が必要になります。特に外壁塗膜にアスベストが含まれている場合、除去と処分費用が数百万円単位になることもあります。

• 基礎の構造：ピット構造やフーチング（基礎の補強部分）がある場合、解体作業が複雑になり、追加の作業費用が発生します。フーチングの撤去には100〜200万円かかる場合もあります。

解体する解体業者の条件

解体費用は、業者が持っている設備や経験によっても変動します。

• 重機やアタッチメントの自社保有：解体業者が大型の重機や専用のアタッチメントを自社で保有しているかどうかが重要です。自社で持っていない場合はレンタル費用が発生し、解体費用に上乗せされます。

• RC造解体に慣れた職人の有無：鉄筋コンクリート造の解体には特殊な技術が求められます。経験豊富な職人がいる場合、効率的かつ安全に作業を進めることができるため、無駄なコストがかかりにくくなります。一方、経験の少ない業者に依頼すると、施工計画が甘く、見積もりが適切でないことがあります。

2. 鉄筋コンクリート(RC)造の解体方法

解体方法は、建物の高さや周辺環境に応じて異なります。RC造の解体方法には、主に「地上解体」と「階上解体」の2種類があります。

地上解体

地上解体は、重機を地上に置いて解体を行う方法です。

• 特徴：重機を使って下から上へ解体するため、地上からの操作で済む安全性の高い方法です。建物が低層の場合に用いられ、ロングアーム（長いアーム）付きの重機を使うことで、高い場所まで解体作業が可能です。

• メリット：重機の揚重（持ち上げ）が不要で、施工が比較的シンプル。コストも低めに抑えられることが多いです。

• デメリット：建物の階数が高い場合は適用できないことがあります。また、近隣建物がある場合は、振動や騒音対策が必要です。

階上解体

階上解体は、重機をクレーンで屋上に揚重し、上から下へ順に解体する方法です。

• 特徴：高層建物や狭い敷地に囲まれた建物の解体に適しています。屋上に重機を揚重して作業を進めるため、上から順に解体を行います。

• メリット：高層建物でも解体が可能で、周囲の建物に影響を与えにくいです。

• デメリット：重機の揚重や操作に高い技術が求められるため、オペレーターの熟練度が重要です。揚重にかかるコストも含めると、地上解体よりも費用が高くなる場合があります。

3. 鉄筋コンクリート造の解体工法

RC造の解体工事には、以下の3つの工法が一般的に使われます。これらの工法は現場の状況や解体する建物の構造に応じて使い分けたり、組み合わせて使用します。

ブレーカー工法

ブレーカー工法は、重機に取り付けたブレーカー（大型のハンマーのようなもの）を使ってコンクリートを破壊する方法です。

• 特徴：強い打撃でコンクリートを粉砕するため、解体速度が速いです。

• メリット：解体作業のスピードが速く、工期を短縮できます。

• デメリット：振動と騒音が非常に大きく、近隣住民からのクレームが発生しやすいです。特に密集した住宅街などでは使用を避けるべき工法です。

圧砕機工法

圧砕機工法は、油圧式の大割（油圧を利用してコンクリートを破壊する機械）を使って、コンクリートを圧砕しながら鉄筋を切断する方法です。

• 特徴：コンクリートを圧力で砕くため、振動が少なく、周囲の影響を最小限に抑えられます。

• メリット：ブレーカー工法よりも静かで、振動も少ないため、騒音や振動対策が必要な現場に適しています。

• デメリット：解体作業のスピードはブレーカー工法に比べてやや遅くなります。

転倒工法

転倒工法は、鉄骨鉄筋コンクリート造（SRC造）などの建物で、鉄骨を切断して壁を内側に倒して解体する方法です。

• 特徴：主に鉄骨部分の解体に使用され、重機と酸素ガス切断機を使って建物を崩していきます。

• メリット：大規模なSRC造の解体に適しており、効率的に解体を進められます。

• デメリット：作業には高い技術と慎重さが求められ、引火のリスクも伴うため、現場の安全管理が重要です。

4. 解体工事の概要

解体工事の具体的な流れとしては、以下のような手順で進められます。

1. 準備工事：電線や植栽の撤去、足場の設置などを行います。
2. 内装解体：内部の仕上げ材や設備を撤去します。
3. 外壁のアスベスト除去：アスベストが含まれている場合、法令に基づき慎重に除去します。
4. 重機揚重：重機をクレーンで屋上に揚重し、解体を開始します。
5. 躯体解体：建物の主要な構造部分を解体し、コンクリートガラを処理します。
6. 基礎解体：地中の基礎部分を解体し、地盤を整えます。

5. 解体工事で私たち東京エース解体が配慮したポイント

周囲の環境や安全性に最大限配慮して解体工事を進めるため、以下の点に特に注意を払っています。

• 作業スペースの確保：狭い現場では、特に慎重な計画が必要です。
• 使用する重機の選定：道路の幅や現場の条件に合わせた重機を選びます。
• 騒音対策：閑静な住宅街では、騒音の少ない工法を選択します。
• アスベストの事前調査と撤去：アスベストの有無を事前に調査し、安全に除去します。