解体工事を予定している、またはご近所で始まると聞いて、少し不安を感じることはありませんか?
「家を壊すだけだし、簡単だろう」と思われがちですが、解体工事は実際にはさまざまなトラブルが発生しやすいものです。
特に近隣住民への配慮が不足していたり、業者選びで失敗したりすると、クレームや予想外の出費が発生することがあります。
この記事では、解体工事に関するトラブルの詳細とその解決方法を、解体工事が初めての方でも理解しやすいように丁寧に解説します。
この記事を読むことで、次のようなことが可能になります。
- 解体工事でどんなトラブルが起きるか事前に把握できる
- 起こりやすい問題への対策を取れる
- 万が一トラブルが発生した際、スムーズに対処できる
解体工事を控えている方は、ぜひ最後までお読みください。
解体工事で発生する12のトラブル
解体工事はトラブルが起きやすい?近隣への影響に注意
解体工事には、周囲の環境に少なからず影響を及ぼす側面があります。
例えば、工事中に発生する騒音や振動、埃(ほこり)などは、近隣住民にとって大きなストレスになることも。
また、解体業者選びを誤ると、許可のない違法業者に依頼してしまったり、費用やスケジュールに予想外のトラブルが発生したりするリスクもあります。
解体工事で発生する問題は、主に次の3つの段階で起きることが多いです。
- 工事前:挨拶不足や業者選びのミスがトラブルの原因になる
- 工事中:騒音、振動、粉塵、費用の問題が発生しやすい
- 工事後:証明書の不備や工事の仕上がりに問題がある
これから、それぞれの段階でどんな問題が起こり得るのか、具体例とともに見ていきましょう。
解体工事前に起こるトラブル3選
解体工事を始める前には、いくつかの注意点があります。
トラブルを防ぐためには、近隣住民への配慮や信頼できる業者の選定が重要です。
トラブル① 近隣への挨拶をしていない
解体工事では、大きな音や振動、埃などが避けられません。そのため、工事を行う前に近隣住民への挨拶を済ませておくことがマナーです。
挨拶を怠ると、「何の説明もなく突然工事が始まった」と近隣からクレームが寄せられる可能性があります。近所同士の関係が悪化する原因にもなりかねません。
解決策:事前の挨拶や説明会を行う
- 挨拶の際には工事の日程や作業時間を説明し、了承を得ましょう。
- 必要であれば粗品を用意すると印象が良くなります。
業者によっては、施主(工事を依頼する人)と一緒に挨拶回りを行ってくれる場合もありますので、相談してみると安心です。
トラブル② 解体業者が認可を受けていない
解体工事は、国や自治体の認可を受けた業者でなければ行えません。
認可を受けていない違法業者に依頼してしまうと、工事が中断されたり、最悪の場合、罰則を受けることもあります。
解決策:許可証を確認する
- 解体業者に「解体業登録証」や「許可番号」の提示を求めましょう。
- 業者が対応に消極的であれば、別の業者を検討するのが賢明です。
- 自治体に問い合わせることで、業者が正規登録されているか確認することも可能です。
トラブル③ 損害賠償保険に加入していない
解体工事では、重機や工具を使用するため、隣家や公共物に損害を与えてしまうリスクがあります。その際、損害賠償保険に加入していない業者だと、トラブル解決に時間がかかることがあります。
解決策:業者の保険加入状況を確認する
- 損害賠償保険に加入しているか事前に確認しましょう。
- 加入していない業者は避けるのが無難です。
解体工事中に起こるトラブル6選
工事が始まると、次のようなトラブルが発生する可能性があります。これらは、主に近隣住民との関係に影響を及ぼしやすいです。
トラブル① 騒音や振動が響く
重機や工具を使用する解体工事では、大きな音や振動が避けられません。
長時間にわたる騒音や振動は、近隣住民にとって大きなストレスになることがあります。
解決策:作業時間を配慮する
- 作業は日中の時間帯に行い、朝早くや夜遅くの作業を避けましょう。
- 事前に作業スケジュールを共有し、住民が外出しやすいよう配慮するのも有効です。
トラブル② 埃や粉塵が舞う
解体工事中は、埃や粉塵が発生し、風で近隣の家や道路に飛散することがあります。
解決策:防塵シートや散水を徹底する
- 工事現場を覆う防塵シートを設置し、埃が広がらないようにする。
- 水を撒いて粉塵を抑える方法も効果的です。
トラブル③ 路上駐車が邪魔になる
解体工事では、作業車両や重機の駐車スペースが必要になります。路上駐車をすると、周囲の住民や通行人の迷惑になる場合があります。
解決策:駐車スペースを確保する
- 事前に駐車場を確保し、道路を塞がないように配慮しましょう。
- 業者と相談し、必要なスペースを確保することが重要です。
トラブル④ 工事費用が予定と異なる
工事中に追加費用を請求されるトラブルも少なくありません。たとえば、「廃棄物が予想以上に出た」などの理由で費用が上乗せされるケースがあります。
解決策:契約書で追加費用の条件を明確にする
- 契約書に追加費用の発生条件を明記しておきましょう。
- 見積もりを複数の業者から取り、適正価格を確認することも重要です。
トラブル⑤ 隣家や公共物を破損してしまう
解体工事中の作業ミスで、隣家や公共物を破損してしまうことがあります。
解決策:業者に保険対応を確認する
- 工事前に保険の内容を確認し、トラブルが起きた際に迅速に対応できる業者を選びましょう。
トラブル⑥ 害虫やネズミが隣家に侵入する
古い建物を解体する際、ゴキブリやネズミなどの害虫が隣家に移動する場合があります。
解決策:事前に害虫駆除を行う
- 解体前に害虫駆除を依頼し、建物内を清掃しておくと安心です。
解体工事後に起こるトラブル3選
解体工事が完了した後でも、次のような問題が発生することがあります。
トラブル① 工事の範囲や内容に相違がある
解体予定の範囲が曖昧だと、希望通りの工事が行われていない場合があります。
解決策:工事範囲を事前に書面で明記する
- 契約時に、解体する範囲や内容を図面や書類に残しておきましょう。
トラブル② 整地が不十分
解体後の土地が平らになっていないと、次の用途に支障をきたします。
解決策:整地状況を確認する
- 解体後に現地を確認し、問題があれば速やかに業者に連絡しましょう。
トラブル③ 証明書が受け取れない
建物取毀し証明書が発行されないと、建物滅失登記ができません。
解決策:証明書の発行を事前に確認する
- 契約時に証明書発行を依頼し、書類を確実に受け取れるようにしましょう。
解体工事のトラブルを防ぐ6つの対策
- 近隣への挨拶を事前に行う
- 実績のある業者を選ぶ
- 見積もりを細かく確認する
- 追加費用の条件を明確にする
- 業者の許可証を確認する
- 廃棄物処理のマニフェストを提出してもらう
これらを実施することで、多くのトラブルを防ぐことができます。
トラブルが発生した場合の相談先
万が一トラブルが発生した場合は、次の機関に相談するのが良いでしょう。
- 消費者センター
- 弁護士
- 法テラス
- 役所への通報
状況に応じて適切な相談先を選び、迅速に対応することが重要です。