解体工事は、建物を取り壊すだけのシンプルな作業と思われがちですが、実際には多くのトラブルが発生しやすいものです。近隣トラブルや費用面の問題など、「思っていた以上に難しい…」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、解体工事における代表的なトラブルとその防ぎ方、トラブル発生時の相談先について、初心者にも分かりやすくご紹介します。最後まで読むことで、解体工事に関する基本的な知識と、トラブル回避のコツを身につけていただければと思います。
解体工事でよくあるトラブル11選!避ける方法や相談先を詳しく解説
解体工事ではなぜトラブルが多いのか?
まずは、解体工事でトラブルが発生しやすい理由について考えてみましょう。
解体工事は重機を扱う危険な作業や、騒音・振動・粉じんなどが発生するため、周囲への影響が避けられません。また、工事の過程で予期せぬ状況が発生しやすい点も、トラブルの要因となっています。
例えば、天候や地中の状況による工期の遅れや、アスベストといった有害物質の取り扱いミスなど、施主側からは見えにくい部分で問題が起きることも…。
このような特性があるため、解体工事をスムーズに進めるには、入念な準備と信頼できる業者選びが欠かせません。
解体工事でよくあるトラブル事例11選
解体工事に関するトラブルを、「工事前」「施工中」「施工後」の3つのシーン別に整理して解説します。それぞれの具体例を確認しながら、予防策を一緒に考えていきましょう。
1. 【工事前】現地見積もりをしない
悪質な業者の中には、現地を確認せずに施主の口頭情報だけで見積もりを出す場合があります。この方法では、建物の状態や立地条件を正確に把握できないため、後から高額な追加費用を請求されることも…。
例えば、重機の搬入が難しいために手作業に変更し、予想以上の費用が発生したというケースもあります。
解決策:現地見積もりを行う業者に依頼することで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。施主としても、建物周辺の状況や作業スペースを事前に把握しておくと安心です。
2. 【工事前】無許可・未申請の業者に依頼してしまう
解体工事を行うには、建設業許可や道路使用許可など、さまざまな許可や申請が必要です。しかし、悪質な業者の場合、これらを無視して工事を進めてしまうことがあります。
具体例:
- 道路使用許可を取らずに足場を設置し、工事が中止に。
- 業者の解体業許可が失効しており、自治体から指導を受ける。
解決策:業者の許可証や登録内容を確認することが大切です。国土交通省や自治体が運営する業者検索システムも活用しましょう。
3. 【施工中】足場の崩壊事故
解体工事では足場を使用しますが、設置が不十分だと崩壊のリスクがあります。崩れた足場が隣家や通行人に被害を及ぼすと、金銭的な補償や信頼関係に悪影響を与えることに…。
解決策:安全基準を守った足場の設置を徹底する業者に依頼しましょう。また、現場監督がいるか確認するのもポイントです。
4. 【施工中】騒音や振動へのクレーム
重機を使った解体工事では、どうしても騒音や振動が発生します。「夜も眠れない」といった苦情が近隣住民から寄せられることも少なくありません。
解決策:工事前に近隣住民へ挨拶を行い、迷惑をかける旨を伝えておきましょう。また、業者に騒音・振動の抑制策を講じてもらうことも重要です。
5. 【施工後】整地や清掃の不十分さ
解体工事後、土地がきれいに整地されていない、道路が汚れたまま放置されているといったトラブルが報告されています。
解決策:契約前に、整地や清掃の範囲を業者と具体的に取り決めておきましょう。
解体工事のトラブルを防ぐ5つの方法
解体工事のトラブルを未然に防ぐためには、以下のポイントを押さえておくことが効果的です。
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ホームページで業者の許可や免許をチェック
信頼できる業者を見極めるには、許可や登録内容を確認することが大切です。業者のホームページや自治体の検索システムを利用しましょう。
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マニフェストを提示してもらう
解体工事で発生する廃棄物が適切に処理されているか確認するため、マニフェスト(管理票)の提示を求めましょう。
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複数業者に見積もりを依頼する
1社だけで決めず、複数の業者に見積もりを依頼して比較検討することが重要です。価格だけでなく、内訳や対応内容にも注目してください。
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工事前後で近隣住民に挨拶をする
解体工事の前後で、近隣住民への挨拶を必ず行いましょう。感謝の気持ちを伝えることで、トラブルを防ぎやすくなります。
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工事中に差し入れを持参する
差し入れをきっかけに業者とコミュニケーションを取り、工事の進捗や周囲の反応を確認することができます。
トラブルが発生したときの相談先
もしトラブルが発生した場合、次のような相談先に問い合わせるのがおすすめです。
- 元請けの業者(ハウスメーカーなど):トラブル内容を解体業者に迅速に伝えたい場合。
- 消費者センター:具体的な解決方法やアドバイスを知りたい場合。
- 弁護士:訴訟や法的トラブルが発生した場合。