鉄筋コンクリート(RC)造建物の解体費用と解体方法
1. 鉄筋コンクリート(RC)造建物の解体費用の相場
まずは、解体工事にかかる費用から見ていきましょう。
1.1 相場は坪3.5〜8万円
鉄筋コンクリート(RC)造建物の解体費用は、一般的に1坪あたり3.5〜8万円が相場です。
ただし、「3.5万円」と「8万円」では、2倍近い金額の差が出ますよね。この金額の幅がなぜ生じるのか、不思議に思われる方もいるかもしれません。
実は、解体費用は大きく2つの条件によって変わるのです。
- 解体する建物の条件
- 解体業者の条件
順番に見ていきましょう。
1.2 解体する建物の条件
以下のような建物の条件によって費用が変動します。
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隣地との距離
隣の建物との距離が狭い場合、大型重機が入れず、手作業が中心になります。これにより時間と手間がかかるため、費用が高くなります。
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前面道路の幅員
道路が狭いと、解体工事で使うダンプや重機が通れないことがあります。その場合、小型車両を使用したり、人力で搬出する必要があり、費用が増えます。
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アスベストの有無
アスベスト(石綿)が使用されている建物では、事前調査や除去作業が必要です。特にアスベストレベル1や2の建物では、隔離養生と除去に数百万円の費用がかかることもあります。
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基礎の構造や地中障害物
地下に「ピット構造」や「フーチング梁」がある場合、その撤去作業にも追加費用が発生します。
これらの条件を事前に確認し、工事計画をしっかり立てることが重要ですね。
1.3 解体業者の条件
次に、解体業者によっても費用が変わる理由を解説します。
RC造の解体に慣れた業者を選ぶことが、費用面でも安心につながりますよね。
2. 鉄筋コンクリート(RC)造の解体方法
鉄筋コンクリート(RC)造の解体方法には「地上解体」と「階上解体」の2種類があります。
2.1 地上解体
地上に重機を置いて解体する方法です。
低層の建物であれば、この方法が一般的ですね。ロングアーム(長いアーム)を使って建物を少しずつ解体していきます。
2.2 階上解体
高層建物の場合は、クレーンで重機を屋上に揚重して解体する「階上解体」を行います。
階上解体では、重機オペレーターの技術がとても重要です。重機やコンクリート片の落下を防ぐため、慎重に作業を進めなければなりません。
3. 鉄筋コンクリート造の解体工法
次に、具体的な解体工法について見ていきましょう。
3.1 ブレーカー工法
「ブレーカー」という重機のアタッチメントを使い、コンクリートを叩いて破壊する工法です。
短時間で解体できる一方、振動や騒音が大きいため、住宅街ではクレームの原因になることがあります。
3.2 圧砕機工法
油圧式のアタッチメントを使って、コンクリートを圧砕し、鉄筋を切断する方法です。
ブレーカー工法に比べて振動が少なく、騒音も抑えられるため、住宅街でも比較的安心して施工できます。
3.3 転倒工法
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建物で行われる工法です。鉄骨を切断して壁を内側に倒し、重機で解体します。
酸素ガスを使用するため、引火のリスクがないか事前確認が必須です。
実際の現場では、これらの工法を状況に応じて組み合わせながら施工します。
4. 解体工事の流れと配慮すべきポイント
ここからは、具体的な解体工事の流れを解説します。特に注意が必要なポイントも合わせてご紹介しますね。
4.1 作業スペースが限られる場合
敷地いっぱいに建物が建っている場合、丁寧な施工計画が欠かせません。
道路をはみ出して作業すると、近隣住民とのトラブルや安全上のリスクが高まります。
4.2 道路が狭い場合
重機やダンプが通れない道路では、小型重機や人力で作業することになります。
その分、時間と手間がかかるため、費用も高くなります。
4.3 騒音対策
住宅街での工事では、極力騒音や振動の少ない工法を選ぶことが重要です。圧砕機工法がよく使われますね。
4.4 アスベスト対策
アスベストが含まれている場合、事前調査と適切な除去作業が必要です。
石綿含有塗膜の場合でも、レベル3建材として厳密に対応する必要があります。
5. 解体業者の選び方
最後に、解体業者を選ぶ際のポイントをお伝えします。
- RC造の解体経験が豊富か
- 重機やダンプを自社保有しているか
- アスベスト除去に対応できるか
「費用だけ」で業者を選んでしまうと、後から追加費用が発生したり、工期が伸びてしまうこともあります。
信頼できる業者を見極めることが大切ですね。
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