アスファルト舗装の解体工事とは?
アスファルト舗装の解体を始める前に知っておきたいこと
まずは、アスファルト舗装の特徴について触れましょう。舗装には主にアスファルトとコンクリートがありますが、それぞれ特徴が異なります。解体費用や方法にも影響するポイントですので、理解しておくと役立ちますよ。
アスファルト舗装の特徴
アスファルト舗装の最大の特徴は 柔軟性 です。車両や重い荷物の圧力がかかっても、その力を受け流し、たわむことで耐えられる仕組みになっています。この性質のおかげでひび割れが起こりにくく、道路や駐車場などで頻繁に使われています。
また、 修繕が比較的容易 である点もメリットです。部分的な補修が可能で、コストも抑えやすいのが魅力ですね。ただし、耐久性という面ではコンクリートに劣るため、定期的なメンテナンスが必要です。
コンクリート舗装の特徴
一方で、コンクリート舗装は 耐久性が高い のが特徴です。重い荷物を運ぶ大型車両が頻繁に通るような道路ではコンクリートが選ばれることが多く、トンネル内や幹線道路での採用が目立ちます。
ただし、施工に手間と時間がかかるため、費用も高額になりがちです。そのため、一般家庭ではアスファルト舗装の方が採用されやすい傾向があります。
アスファルト舗装の解体工法
アスファルト舗装の解体にはいくつかの方法があります。代表的なものを2つご紹介します。
1. IH式工法
IH式工法は、舗装部分を加熱して接着剤を溶かし、アスファルトを剥がす方法です。 振動や騒音が少ない のが特徴で、近隣住民への迷惑を抑えられる点が魅力です。
また、アスファルトの下に敷かれている鋼床版(こうしょうばん:鉄板の一種)を傷つけずに解体できるので、再利用を考える際にも向いています。ただし、 特殊な機械を使うため費用が高くなりがち で、作業時間がかかるデメリットもあります。
2. オーバーレイ工法
オーバーレイ工法は、古いアスファルトを部分的に剥がし、その上から新しいアスファルトを重ねる方法です。 短時間で作業が終わるため、費用も比較的抑えやすい のが特徴です。
ただし、大規模な撤去作業には適していません。小規模な修繕や補修に用いることが多い工法です。
アスファルト舗装の解体・撤去費用の相場
「実際に解体をお願いする場合、費用はどれくらいになるのだろう」と気になりますよね。ここでは、費用の目安をお伝えします。
費用相場はどのくらい?
アスファルト舗装の解体費用は、 面積と厚み によって決まります。目安として以下のような費用感を参考にしてください。
厚み |
費用相場(㎡あたり) |
5cm |
約1,000円~ |
10cm |
約1,500円~ |
これに加えて、地域や地盤の状況、廃材処理費用などが上乗せされることがあります。
例えば、寒冷地(北海道など)の舗装は寒さに耐えるためにしっかりと施工されているケースが多く、解体費用がさらに高くなることもあります。 5,000円/㎡を超えることもある ので、事前に見積もりを取りましょう。
個人で解体する場合の費用は?
簡単な補修や小規模な解体なら、自分で作業することも可能です。その際に必要なのが アスファルト舗装カッター です。
一般的な手押しタイプのアスファルト舗装カッターは 15~17万円程度 で購入できます。小規模な作業であれば業者に依頼するよりもコストを抑えられる場合があります。ただし、広い範囲や厚みがある場合は時間がかかりすぎたり、安全面でのリスクが高くなることがあります。
アスファルト舗装を解体・撤去する際の注意点
解体作業を始める前に、いくつかの注意点を押さえておきましょう。これらを知っておくことで、スムーズかつ安全に工事を進めることができます。
1. 業者選びは慎重に
解体業者を選ぶ際は、必ず 複数の業者から見積もりを取る ようにしましょう。費用面だけでなく、廃材処理が適切に行われているか(産業廃棄物処理法に基づいているか)も確認が必要です。
残念ながら、中には不適切な処理をする業者も存在します。不法投棄などが行われた場合、依頼主も責任を問われることがあるため注意が必要です。
2. 近隣住民への配慮を忘れずに
解体作業中は 騒音や振動、粉じんの発生 が避けられません。特にIH式工法以外の方法を採用する場合は、近隣住民に対する影響が大きくなる可能性があります。
事前に工事内容やスケジュールを説明し、理解を得ることでトラブルを防ぎやすくなります。
3. 駐車場の解体は地中の確認を
駐車場など広い面積を解体する場合は、地中に何が埋まっているかを事前に確認することが大切です。
- ガス管や水道管
- 浄化槽や建物の基礎部分
- 土間コンクリート
これらが埋まっていると、解体作業が進まなかったり追加費用が発生したりします。特に以前に建物があった場所では注意が必要です。