解体工事で養生シートなしでも大丈夫?リスクや費用、注意点を徹底解説
養生シートなしでも解体工事は可能?
まず結論から言うと、アスベストが使用されていない建物であれば、法律上は養生シートの設置が義務付けられていません。ただし、だからと言って設置しなくても問題がないわけではないのです。
養生シートを設置しないと、粉じんの飛散や騒音の発生など、様々なリスクが生じます。これが原因で近隣トラブルが発生したり、大きな事故につながる可能性も。特に解体工事は多くの音やほこりが発生するため、養生シートは近隣住民への配慮や安全確保のために必要不可欠な役割を果たします。
では、養生シートを設置しない場合、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか?
養生シートなしで解体工事をするリスク
1. 粉じんの飛散によるトラブル
解体工事では大量の粉じんやほこりが発生します。養生シートを設置していないと、これらが現場の外へ飛散してしまい、以下のような問題が起こることがあります。
-
近隣の洗濯物が汚れる
粉じんが外に干している洗濯物に付着してしまい、洗い直しを余儀なくされることがあります。
-
車や建物が汚れる
駐車している車や近隣の外壁に粉じんが積もることで、汚損の原因になります。
-
健康被害が発生する
粉じんを吸い込むことで、近隣住民や通行人が体調を崩すリスクもあります。
養生シートを使用すれば粉じんの完全な飛散防止はできないものの、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。
2. 騒音問題
解体工事では、建物を取り壊す音や重機のエンジン音など、どうしても大きな音が発生します。これに対して養生シートを設置していないと、音がそのまま周囲に響いてしまい、近隣住民に大きなストレスを与えてしまいます。
特に住宅密集地では、少しの騒音でもトラブルに発展することがありますので、遮音性に優れた養生シートの設置が重要です。
3. 工具や資材の落下事故
解体工事中には、工具や建材の一部が落下することがあります。養生シートを設置していれば、落下物が現場の外に飛び出すリスクを軽減できますが、設置していない場合、通行人や近隣住民に当たってしまい、大きな事故につながる可能性が高まります。
4. 近隣トラブル
養生シートを設置しない解体工事は、「近隣への配慮が足りない」と感じられることが多いです。その結果、近隣住民からの信頼を失い、関係が悪化してしまう恐れがあります。
逆に、しっかりと養生シートを設置し、丁寧に配慮された工事を行えば、トラブルを未然に防ぐことができます。
養生シートの種類ごとの費用と特徴
養生シートにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や費用が異なります。ここでは代表的な3種類を紹介します。
1. メッシュシート
- 特徴: 細かい穴が空いており通気性に優れています。そのため、風の影響を受けにくく、特に高所での工事に適しています。
- 設置費用: 1,500~2,000円/㎡
2. 防音シート・パネル
- 特徴: 騒音を軽減するために特化したシートやパネル。住宅密集地や大きな音が発生する工事に適しています。
- 設置費用: 2,000~5,000円/㎡
3. 防炎シート
- 特徴: 火気を使用する現場で安全性を高めるために使用。燃えにくい素材で、火花が飛散しても引火のリスクを抑えます。
- 設置費用: 3,000~4,000円/㎡
養生シート設置の際に注意すべきポイント
養生シートを設置していても、その状態や設置方法が適切でなければ、十分な効果を発揮しません。以下の点に注意しましょう。
1. シートが破れていないか確認する
破れたシートでは粉じんや騒音を防ぐ効果が弱まります。また、見た目が悪くなり近隣住民からの不信感を招くこともあります。
2. シートの末端がしっかり固定されているか
ハトメ(ひもを通す穴)を適切に利用し、しっかりと固定されていることを確認しましょう。雑な設置ではシートの効果が半減します。
3. 建物より高い位置に設置されているか
養生シートが解体する建物よりも低い場合、粉じんや工具が外部に飛び出すリスクがあります。必ず建物より高い位置までシートを張りましょう。
4. 足場が安全に組まれているか
養生シートは風の影響を受けやすいため、足場の安定性が重要です。壁につなぎを施し、風で倒れないような対策が取られているか確認してください。