家の解体費用を安くする方法8選
まずは、解体費用を安く抑えるための方法について順を追ってご紹介します。
1. 2~3社の解体業者に相見積もりをする
解体業者ごとに見積もりを取り、比較する「相見積もり」は解体費用を節約するうえで基本のステップです。2~3社の見積もりを取ることで、適正価格を把握でき、業者同士で価格競争が生まれることから値下げ交渉がしやすくなります。
また、相場より大きく高い・低い見積もりが出た場合には、その理由を業者に確認することも大切です。見積もりの際は費用の内訳が詳細に記載されているかも確認しましょう。
2. 家財や庭木は自分で処分する
解体業者に家財道具や庭木の処分を依頼すると、その分手間が増えるため費用もかかります。不要な家具や家電、庭木などは自分で事前に処分することで、解体工事の負担を減らせます。
処分方法としてはリサイクルショップへの持ち込みや出張買取業者の利用、不用品回収業者への依頼などがあります。自治体によっては廃品回収サービスもあり、処分費用を一部負担してくれるケースもあります。
3. 補助金・助成金を活用する
多くの自治体では、老朽化した危険家屋や空き家に対して補助金制度を設けています。例えば、東京都墨田区では解体費用の半額を補助する制度があり、条件を満たせば最大200万円までの補助が受けられる場合もあります。自治体の窓口やウェブサイトで自分の住んでいる地域の補助金制度を確認し、活用できるものがあれば手続きしておくとよいでしょう。
4. 業者に直接依頼して中間マージンを削減
解体業者を直接依頼することで、工務店やハウスメーカーなどを通す場合に発生する中間マージンを削減できます。解体業者を直接選ぶことで、無駄な経費を省き、コストを抑えることが可能です。
ただし、業者選びに不安がある場合は信頼できる工務店を介して紹介してもらう方法もあります。信頼と費用のバランスを考えて、自分に合った依頼方法を選びましょう。
5. 閑散期に工事を依頼する
解体工事には繁忙期と閑散期があり、閑散期に依頼することで料金が安くなる場合があります。一般的に、12月〜3月の年末年始は繁忙期で費用が高くなりやすいですが、反対に初夏や秋などの閑散期であれば値引きに応じてくれることも多いです。
6. 解体関連の手続きを自分でする
解体工事が完了した後には「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」と呼ばれる登記手続きが必要です。これを自分で行えば、専門家に依頼する際に発生する約5万円の手数料を節約できます。書類をそろえる手間はかかりますが、申請費用は約1,000円程度に抑えられます。
ただし、登記は解体完了後1ヶ月以内に済ませなければならないため、スケジュールに余裕を持って対応しましょう。
7. ローンを利用する
どうしてもまとまった費用が用意できない場合、解体ローンを利用する方法もあります。金融機関によっては解体専用のローンを提供しているほか、建て替えを前提とする解体工事であれば住宅ローンに解体費用を組み込めることもあります。
8. 見積もり時に竣工図を準備する
竣工図(しゅんこうず)とは、建物の完成時の設計図面で、床下や壁内の構造、使用されている建材がわかる資料です。竣工図を業者に提示することで見積もりの精度が上がり、予想外の追加費用を防ぎやすくなります。設計図面があることで、業者は詳細な解体計画を立てやすく、作業効率が上がるため、見積もり額が抑えられることもあります。
家の解体工事費用の相場
家の解体費用は、建物の構造や広さによって異なりますが、一般的な計算方法としては「解体坪単価 × 延べ床面積」でおおよその金額を算出します。
解体費用の構造別相場
解体費用は建物の構造によって変わります。主な建物の構造別の解体費用相場は以下の通りです。
- 木造住宅:2万円〜/坪
- 鉄骨造住宅:3万円〜/坪
- 鉄筋コンクリート造(RC造)住宅:4万円〜/坪
例えば、木造2階建て住宅で延べ床面積が50坪の場合、相場は150万円程度となります。ただし、地域や業者の方針によっても価格が変わるため、見積もりでの確認が安心です。
家の解体費用を決める7つの要素
家の解体費用は様々な要素によって変動します。ここでは、主な要素について解説します。
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地域・立地条件
都市部は人件費や機材のレンタル費用が高くなるため解体費用も上がりがちです。また、隣家との距離が近い場合には防音対策が必要なため、費用がかさむこともあります。
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付帯工事の有無
駐車場やブロック塀、庭木などの撤去が必要な場合には、解体工事に加えてこれらの付帯工事の費用も加算されます。
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廃材の量
解体時に発生する廃材の量が多いと、その分廃棄処理費用も高くなります。廃材処理費用は解体費用全体の約4割〜5割を占めることもあるため、不用品や庭木は事前に処分しておくと節約につながります。
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施工する解体業者
重機を自社で保有している業者は、リース費用がかからないため解体費用を抑えられることがあります。重機保有の有無を確認しておくと安心です。
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地下室の有無
地下室があると、解体費用に加えて埋め戻しの費用がかかり、解体費用が大幅に上がることがあります。
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依頼先
解体工事をハウスメーカーなどに依頼すると、提携業者を通すため中間マージンが発生します。節約したい場合は解体業者に直接依頼するのが良いでしょう。
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アスベストの有無
1950〜1980年代に建築された家にはアスベストが含まれている可能性があり、除去には特殊な技術が必要です。アスベストの除去費用は1平米あたり2万円〜8.5万円が相場とされています。
家の解体工事の見積もりが安すぎる場合の注意点
見積もりがあまりに安い場合には注意が必要です。以下の3点を確認し、悪質な業者に依頼しないようにしましょう。
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見積もりの内訳を問い合わせる
内訳を確認し、後で追加費用がかからないようにしておくことが重要です。
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マニフェストの確認
解体工事で発生する廃材は法的に適切に処理する必要があり、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行が義務付けられています。マニフェストが発行されない業者には注意しましょう。
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許可や保険の確認
解体業者には建設業の許可が必要です。また、工事に保険が適用されるかどうかも確認しておくと安心です。
家の解体費用で使える補助金の事例
ここでは、各自治体の補助金の事例をいくつかご紹介します。補助金を上手に活用することで、解体費用を大幅に抑えることが可能です。
- 東京都墨田区:50万円〜200万円の補助金(条件あり)
- 宮城県仙台市:最大50万円(特定空き家に該当する場合)
- 愛知県名古屋市:最大40万円(木造住宅の解体が対象)