解体業者を選ぶときのポイント10選!依頼する時の注意点も解説
1. 必要な許可が取られているか
解体工事を請け負うには「建設業の許可」または「解体工事業登録」が必要です。建設業の許可は500万円以上の工事を対象にしていますが、500万円未満の工事でも適切な許可を持っていることが重要です。許可がない業者に依頼すると、後々法令違反が発覚し、責任が依頼者にも及ぶことがあります。
また、担当者の名刺や見積書に「許可番号」が記載されていることも確認のポイントです。業者が該当する許可を持っているか心配な場合は、役所で業者情報の照会も可能です。適切な許可を持っている業者を選びましょう。
2. 担当者の態度や対応の丁寧さ
解体工事の担当者の態度や対応が丁寧であることも重要です。解体工事は工期が長い場合もあり、担当者の対応が悪いと不安が募ることもあります。また、解体工事中は近隣住民からのクレームが発生しやすいため、対応が丁寧な担当者がいると安心です。トラブルを防ぐためにも、言葉遣いや身だしなみがしっかりしている担当者のいる解体業者を選びましょう。
3. 見積もりが分かりやすいか
解体工事の見積もりは業者によって書式が異なるため、分かりやすい見積もりを出してくれる業者を選びましょう。「一式」とだけ書かれた見積書は注意が必要です。項目ごとの費用が分かりにくいため、後から追加料金を請求されるリスクがあります。
見積もり内容には、解体範囲や付帯工事(例えばブロック塀やカーポートなど)、さらには地中障害の対応費用などが記載されているかを確認しましょう。項目が不明確な場合は、追加費用について後からトラブルになる可能性が高まります。
4. 価格が適正であるか
解体費用は「安ければ良い」というわけではありません。安価な業者の中には、廃棄物の不法投棄や適当な工事を行う悪質な業者もいます。また、見積書に本来必要な項目を記載せず、見た目の金額だけを下げているケースもあるので注意が必要です。
見積もりの際には、周辺の相場価格と比較することも大切です。信頼できる業者に依頼するために、価格だけでなく、見積もり内容や対応も確認しましょう。
5. 法律を遵守しているか
解体工事では、廃棄物の適切な処分が法律で定められています。依頼者も「排出事業者」として、産業廃棄物が適正に処理されるか確認する義務があります。これを確認する手段として、「マニフェスト」(産業廃棄物管理票)を提示できるかどうかを業者に確認しましょう。
特に、コンクリートや木材などを使用した床面積80㎡以上の建物の解体では「建設リサイクル法」に基づき、都道府県知事への届け出が必要です。ほとんどの場合、解体業者が代行しますが、業者が法令を遵守しているかは確認が必要です。
6. 連絡がスムーズに取れるか
解体工事の担当者とスムーズに連絡が取れることも業者選びの重要なポイントです。緊急の連絡が必要な際や、現場でのトラブル発生時にすぐに対応してもらえるかどうかが影響します。連絡がスムーズに取れない業者は、作業の進捗やトラブル対応に支障をきたす場合があるため注意が必要です。
メールや電話での対応が遅い場合は、他の業者も検討しましょう。丁寧で速やかな対応ができる業者は、安心して依頼できます。
7. 支払い方法が明確になっているか
解体工事費用の支払い方法も事前に確認しておくべきポイントです。工事の進行に応じた分割払いが一般的ですが、業者によっては着手金や進捗に合わせた支払い、一括払いなど異なる方法が採用されている場合もあります。
中には、着手前の全額一括払いを要求する業者もいるため注意が必要です。支払い方法が不明確な場合、後からトラブルに発展するリスクもあるため、工事完了の確認後に最終支払いを行うことが推奨されます。
8. 契約書を発行してくれるか
信頼できる解体屋は、工事内容を記載した契約書を発行してくれます。契約書には工事内容や工事期間、金額、支払い方法、万が一のトラブル発生時の対応など、重要な情報が記載されます。口約束やメモだけでは、万が一の際に依頼主が不利になることが多いため、正式な契約書がある業者を選ぶようにしましょう。
9. 自社施工か下請けか
解体業者の中には、実際の作業を下請け業者に丸投げしているところもあります。この場合、下請けに対する中間マージンが発生するため、費用が高くなるだけでなく、作業の質が落ちる可能性もあります。自社で施工を行っている解体業者は、工事の質と安全管理が行き届いていることが多いため、自社施工を行っている業者を選びましょう。
また、安全対策がないがしろにされれば、解体作業が危険になることもあります。信頼できる業者かどうか確認するためにも、自社施工かどうかをチェックしましょう。
10. トラブル対応が明確であるか
解体工事には、騒音や振動、粉じんといった近隣住民に影響を及ぼす問題が伴います。こうしたトラブルを未然に防ぐための対策を講じている業者や、トラブル発生時に迅速に対応できる体制が整っている業者を選ぶと安心です。
事前に近隣住民への挨拶回りを行うことや、クレーム対応がきちんとできる業者は、信頼できるといえます。トラブルへの対応方針を事前に説明してくれる業者は、安心して依頼することができます。
解体業者に依頼する時の注意点
余裕をもった依頼をする
解体工事は計画的に行うことが重要です。工期に余裕を持って見積もりを依頼すると、価格や工期が無理のないプランで進められます。すぐに解体が必要な場合、他の業者に依頼するケースが増え、価格が高くなることもあります。一般的には着工の数か月前に業者選びを始め、見積もりを依頼すると良いでしょう。
現地確認を行う
適切な見積もり金額を出してもらうためには、業者による現地確認が不可欠です。現場を確認せずに見積もりを出してしまうと、実際の作業で予定外の費用が発生する可能性が高くなります。解体を依頼する際には、現地確認をしてもらうことを忘れないようにしましょう。