平屋の解体費用はいくら？2階建てとの違いや安く抑える方法まで徹底解説

平屋の解体費用はいくら？2階建てとの違いや安く抑える方法まで徹底解説

1. 平屋の解体費用はいくら？

平屋の解体費用は、建物の「構造」と「延床面積」によって大きく変わります。まず、平屋に多く見られる3つの建物構造（木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造）別に坪単価の目安を見てみましょう。

構造別の解体費用相場（1坪あたりの単価）

建物構造	坪単価の相場
木造	3万円～5万円／坪
鉄骨造	3.5万円～6万円／坪
鉄筋コンクリート（RC）造	6万円～8万円／坪

延床面積が大きくなるほど坪数も増え、解体費用が高くなるため、事前に平屋の延床面積を確認し、解体にかかる総額の見積もりを検討しておくことが重要です。

延床面積ごとの解体費用相場

それでは具体的に、平屋の延床面積ごとの解体費用相場を構造別にご紹介します。以下の相場は、業者の設定や地域によっても変動するため、目安としてお考えください。

1. 20坪の平屋

• 木造：60万円～100万円
• 鉄骨造：70万円～120万円
• 鉄筋コンクリート（RC）造：120万円～160万円

2. 30坪の平屋

• 木造：90万円～150万円
• 鉄骨造：105万円～180万円
• 鉄筋コンクリート（RC）造：180万円～240万円

3. 50坪の平屋

• 木造：150万円～250万円
• 鉄骨造：175万円～300万円
• 鉄筋コンクリート（RC）造：300万円～400万円

4. 60坪の平屋

• 木造：180万円～300万円
• 鉄骨造：210万円～360万円
• 鉄筋コンクリート（RC）造：360万円～480万円

上記の相場は、平屋解体費用の目安ですが、さらに細かい条件（立地、建物の劣化状態など）によって増減することがあります。

解体費用が増減する要因

解体費用が相場よりも高くなる、または安くなる要因についても触れておきます。以下のような条件が費用に影響します。

• 建物の老朽化：古い建物ほど劣化が激しく、重機が使えない箇所は手作業が必要になり、解体費用が高くなります。
• 周辺環境：住宅密集地であれば、解体時の防音・防塵シートなどが必要になるため、追加の費用が発生します。
• アスベストの有無：アスベストが含まれている場合、除去費用が上乗せされることがあります。アスベスト除去費用は1平方メートルあたり約20,000円〜80,000円が目安です。

延床面積や建物の構造による費用シミュレーション

解体費用は「坪単価 × 延床面積」で大まかに計算できます。たとえば、木造で延床面積が20坪の場合、3万円〜5万円の坪単価をかけて、60万円〜100万円といった具合です。正確な費用が知りたい場合は、解体業者からの見積もりを取ることをオススメします。

このように、平屋の解体費用は建物の構造と面積により変わるため、事前に正確な坪数を把握し、複数の業者からの見積もりを比較して費用相場を把握することが大切です。

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2. 平屋の解体費用が高くなる理由

平屋の解体費用は、同じ坪数の2階建て住宅に比べて高くなる傾向があります。以下に、平屋の解体費用が高くなる主な理由を詳しく解説します。

理由① 基礎部分と屋根面積が広い

平屋は1階建てのため、建物全体が地面に接しています。そのため、基礎や屋根の面積が広くなり、撤去にかかる費用も増えるのです。

• 基礎部分：基礎は、建物を支える重要な部分で、コンクリートや鉄筋が使われていることが多く、頑丈に作られています。撤去には重機が必要で、広い基礎面積を解体するための工数が多くなるため費用がかさみます。
• 屋根部分：平屋の屋根は2階建てと比べて面積が広く、撤去する瓦や屋根材の処分費用も多くなります。屋根材の種類によっては、撤去作業や処分費用がさらに高くなることもあります。

理由② 老朽化が進んでいることが多い

平屋の多くは築年数が経過していることが多く、劣化が進んでいるケースが一般的です。老朽化した建物は解体作業中の倒壊リスクが高くなるため、重機が使えない場合があり、手作業での慎重な解体が必要です。

• 手作業の増加：老朽化が進んだ建物を重機で解体すると、予期せぬ倒壊リスクがあるため、安全性を考慮し、時間のかかる手作業が増える場合があります。
• 補強作業の必要性：一部では建物を補強しながらの解体作業が必要になることもあり、工数がかかるため解体費用が高くなりがちです。

理由③ 天井が高く、壁面積が広い

平屋は天井が高めに設計されているケースが多く、その分だけ壁の面積が広がります。壁面が増えると撤去すべき材料の量が増えるため、解体にかかる手間や費用がかさむ要因になります。

• 壁の撤去費用：壁の面積が大きいと、それだけ壁材の撤去や処分の量が多くなります。特に石膏ボードや木材など、壁材の種類によっては廃棄費用が追加でかかります。

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3. 平屋の解体費用の内訳

平屋の解体費用には、さまざまな項目が含まれています。以下は解体費用の主な内訳と、それぞれの役割について詳しく解説します。

内訳① 廃棄物の処分費用

解体工事で発生する建築廃材（木材、コンクリート、ガラスなど）は「産業廃棄物」として処理され、専門の施設に運ばれて処分されます。廃棄物処分には、以下のような費用がかかります。

• 産業廃棄物処理費：産業廃棄物はすべて法に従い分別・処理が必要で、処分場に持ち込む際の処理費用が発生します。特にコンクリート廃材や金属部品、ガラスなどは処理費用が高めです。
• アスベスト除去費用：アスベストが含まれる建材は、別途除去作業と処分が必要です。アスベストの処理は専門業者に依頼する必要があり、除去費用は1平方メートルあたり約20,000〜80,000円が相場です。

内訳② 付帯工事の費用

付帯工事とは、建物本体以外の構造物や設備の撤去にかかる費用です。平屋の敷地内に付属しているカーポート、庭木、塀などが該当します。

• カーポート撤去：1台分のカーポートを撤去する場合、6万円～が目安です。
• 庭木の撤去：庭木の撤去費用は木の大きさや量によって異なり、5,000円〜3万円が目安です。
• ブロック塀・門扉：ブロック塀や門扉は1平方メートルあたり5,000円～1万円程度の費用がかかります。

内訳③ 養生と足場の設置費用

解体作業では粉塵や騒音が発生します。そのため、近隣住民への配慮として養生シートや足場を設置することが一般的です。養生と足場の設置には以下のような費用が含まれます。

• 養生シート：粉塵や騒音を防止するためのシートです。建物全体を覆う場合、防音・防炎シートが使われ、設置費用が発生します。
• 足場の設置：作業員の安全を確保するため、足場の設置が必要です。特に壁面積が広い平屋では、足場の設置範囲が広くなるため費用がかかります。

内訳④ 重機回送の費用

重機は解体作業現場に運搬する必要があり、運搬費用も解体費用に含まれます。

• 重機回送費用：重機を運搬する際の費用で、解体業者の保管場所から現場までの距離が遠いほど回送費が高くなります。また、重機を保有していない業者の場合、レンタル費用も加算されます。

内訳⑤ 不用品やリサイクル回収の費用

解体前に残った家具や電化製品など、不用品の処分費用も別途かかります。

• 家電リサイクル料：エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、家電リサイクル法で指定されている品目は特に費用がかかります。リサイクルショップや自治体の回収サービスを利用すると、解体費用を節約できる可能性があります。
• 残置物の撤去費用：残置物が多い場合、不用品回収のトラックや人件費が追加されるため、費用は増加します。

内訳⑥ 手続きと諸経費

解体工事では、工事を進める上で役所への届け出や各種申請が必要です。業者が行う書類作成や申請代行にも費用が発生します。

• 建築物除却届：解体を行う際は、事前に役所に「建築物除却届」を提出する必要があり、解体業者が代行してくれます。
• 道路使用許可申請：解体中に道路を使用する場合は、警察署で道路使用許可申請が必要です。
• アスベスト除去届：アスベストが使用されている建物の場合、役所に申請を行います。

解体業者によっては書類作成や申請代行の手数料が異なるため、見積もりをもらう際には内訳をしっかり確認しておくことが大切です。

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平屋の解体費用には、このようにさまざまな内訳が含まれており、条件や現場の状況によっても増減します。費用を抑えるためには、業者に解体前の敷地状況を確認してもらい、適正な見積もりを複数の業者から取得して比較検討することがポイントです。

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4. 平屋の解体費用を安く抑えるポイント

平屋の解体費用は決して安くはありませんが、いくつかのポイントを押さえることでコストを抑えることができます。ここでは、解体費用を安く抑えるための3つのポイントを具体的に解説します。

ポイント① 残置物を自分で処分する

平屋に残っている不用品やリサイクル可能なものを解体業者に任せると、処分費用がかかり、解体費用が上乗せされることが一般的です。例えば、家具や家電、日用品などが多く残されている場合、それらの廃棄やリサイクルには解体とは別の作業が必要となり、その分の人件費やトラックなどの費用が加算されることになります。

• 家電リサイクル法により指定されている家電4品目（エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機）は特に処分費が高く、業者に依頼するよりもリサイクル業者に持ち込むことで費用を削減できる場合が多いです。
• 使える家具や家電は、リサイクルショップで引き取ってもらえることもあり、費用を抑えられると同時に、逆に買取価格がついてプラスになることもあります。

処分費用は一度積み重なると意外に大きな金額になるため、可能な範囲で不用品を自分で整理・処分しておくことが解体費用を安くするポイントです。回収業者に依頼する場合も、キャンペーン割引が利用できる業者を探すと効果的です。

ポイント② 補助金や助成金の利用

自治体によっては、老朽化した空き家や使われていない建物の解体に対し、補助金や助成金が提供されています。これらの制度は、地域の景観保護や安全性向上、空き家対策を目的としているため、補助金が支給される条件や金額が自治体ごとに異なることが多いです。

• 空き家解体の補助金：空き家状態の住宅や老朽化が著しい建物は、自治体によっては補助金対象となり、最大で100万円ほどの助成金が受けられるケースもあります。制度があるかは各自治体のホームページで確認でき、申請の際に必要な書類なども記載されています。
• 解体工事の助成金：一般的に支給要件を満たすことで利用可能な助成金制度もあります。支給額は予算に応じて設定され、限られた範囲内で支給される「補助金」とは異なり、支給要件を満たせば助成される特徴があります。

ただし、これらの補助金や助成金は年度ごとの予算が限られているため、早めに申請するのがポイントです。また、制度は年度によって変わる場合もあるため、解体を検討する前に各自治体に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。

ポイント③ 閑散期（4月～9月）に解体を依頼する

解体業者にも繁忙期があり、特に新年度が始まる12月〜3月の時期は引越しやリフォームと重なり解体業務も忙しくなります。この時期に解体を依頼すると業者の人員確保が難しいため、価格が高くなる傾向があります。一方、4月～9月の閑散期は、業者の仕事が少ないため値引き交渉がしやすいことが多いです。

• 台風や長雨による注意点：9月下旬から10月上旬は台風シーズンでもあり、天候の影響で作業が中断されるリスクがあります。工期が長引くと、その分費用が上がる可能性もありますので、天候の影響を踏まえて閑散期を選ぶこともおすすめです。
• 業者の比較・交渉がしやすい：閑散期は、他の業者も余裕があるため、見積もりを比較しやすく、交渉もしやすい時期です。複数の業者に見積もりを依頼して、最適な業者を選ぶようにしましょう。

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5. 平屋の解体を自分で行う場合の流れと注意点

平屋の解体は専門業者に依頼するのが一般的ですが、所有者本人が行うことも可能です。ただし、安全確保や周囲への配慮が重要で、法的な届出も必要になるため、以下の解体手順と注意点を押さえておくことが重要です。

解体の流れ

①足場・養生の設置

解体工事では粉塵や騒音が避けられないため、周辺住民への影響を抑えるために養生シートや足場を設置します。足場は解体作業員の安全を確保するためにも必要です。

養生シートは粉塵や騒音を防止する役割があり、防音・防炎シートなどを建物全体に覆うように設置します。養生シートや足場材はレンタルできるため、必要に応じて借りましょう。

②建物の解体

まず、家の内部にある残置物を撤去し、次に壁や屋根、床などを解体していきます。石膏ボードや内装材の一部は手作業で外す必要があり、残った大きな構造部分は重機で解体するのが一般的です。

重機を使わない場合、手作業で解体することになりますが、この場合は作業時間が長くなるため、焦らず慎重に進める必要があります。解体中に水をまき、粉塵を抑えることも大切です。

③廃棄物の処理

解体で出る廃材は産業廃棄物として処理され、廃棄物の種類に応じて処分方法が異なります。木材やガラス、鉄くずなどを分別し、それぞれ廃棄業者に引き取ってもらいます。

自治体のリサイクルセンターに持ち込むと、一般廃棄物として扱ってもらえる場合もありますが、自治体ごとに扱いが異なるため、事前に確認が必要です。

④整地作業

最後に、解体した後の土地を整地します。大きな石を取り除いたり、地面を平らにして水をまいて固めるなどの作業を行います。

将来、土地を畑や庭として利用したい場合は、整地作業に専門業者を利用するのも選択肢のひとつです。

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解体を自分で行う際の注意点

• アスベスト調査の必要性：古い建物にはアスベストが含まれていることが多く、アスベストの除去には専門知識が必要です。アスベストが確認された場合は、専門業者に依頼する必要があります。
• 資格が必要な場合がある：重機を使用する際は、特定の資格が必要です。無資格で行うと罰則の対象になるため、資格がない場合は重機を使わずに手作業で行うか、取得してから作業を行います。
• 廃棄物処理法の確認：産業廃棄物の処分方法や処理費用は自治体によって異なるため、適切な方法で廃棄しないと罰則の対象となる可能性もあります。
• 事故や損害リスクに注意：自分で解体を行う場合、万が一の事故や近隣住民に被害が出た場合も全て自己責任です。リスクを理解したうえで無理をせず、必要があれば途中から業者に依頼するなど、柔軟に対応することも重要です。

解体工事を自分で行うことで、十分な知識と準備があれば費用を抑えることも可能です。ただし解体作業には手間やリスクが伴います。途中まで自分でやってみもののうまくいかない場合もあるかもしれません。そんな時は、解体業者に依頼や相談をすることをオススメします。

6. 信頼できる業者を選び、見積もりを比較する

平屋の解体費用は業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを取り、比較することが大切です。