車庫の解体費用の相場は?費用を抑えるコツや自分で解体する方法を紹介
1. 車庫解体の費用相場
まず、車庫の種類や構造によって解体費用は大きく異なります。以下に一般的な車庫の解体費用相場をまとめました。
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ガレージ(木造・鉄骨造・RC造)
- 木造:1坪あたり1.5万~2万円
- 鉄骨造:1坪あたり2万~3万円
- RC造(鉄筋コンクリート造):1坪あたり6万~8万円
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カーポート
- 1台分の広さ:2万~8万円
- 2台分の広さ:3万~5万円
- 3台分の広さ:8万円前後
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カスケードガレージ
1台分の広さ:20万~35万円
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掘り込み車庫・地下車庫
1坪あたり8万~12万円
車庫の構造が頑丈であったり、解体が難しい場所にある場合は費用が高くなります。
2.車庫解体の費用を決める要因の内訳
車庫の解体費用は、単純に車庫のサイズや構造だけで決まるわけではありません。実際には、複数の要因が関わっており、それぞれが費用に影響を与えます。ここでは、解体費用を左右する主な要因について、詳細にわかりやすく説明します。
1. 車庫本体の解体工事費用
解体工事の中心となるのが、この本体工事費です。車庫の構造や材質、そしてその立地条件によって、解体作業にかかる難易度が変わるため、費用が変動します。
2. 重機回送費用
重機(ショベルカーやダンプカーなど)を使って解体する場合、その重機を現場まで運搬するための費用がかかります。重機は道路を直接走行できないため、回送車という専用のトラックで現場まで運ばなければなりません。
3. 運搬・処分費用
解体工事によって出る瓦礫(がれき)や廃材は、適切に処分しなければなりません。廃材は自治体ごとの決まりに従い、産業廃棄物として処理します。解体費用には、この瓦礫や廃材を処分場まで運ぶ運搬費と、処分費が含まれます。
4. 申請や手続きにかかる費用
車庫の解体にはいくつかの行政手続きが必要で、その際の申請費用や手数料も発生します。主に次の2つの手続きが関連します。
- 建設リサイクル法の届出
- 建設リサイクル法とは、解体工事で発生した廃材を、素材ごとに分別してリサイクルすることが義務付けられた法律です。この届出を、解体工事を始める7日前までに行う必要があります。
- 道路使用許可の申請
- 解体作業を行う際、トラックや重機が現場近くの公道に駐車することがあります。公道を使用する場合、警察署に申請して許可を得る必要があります。
これらの手続きは、通常、解体業者が代行して行いますが、その手数料や申請費用は**「諸経費」**として見積書に記載されることが一般的です。
5. その他の要因
追加費用や特殊な条件も、解体費用に影響します。
3.車庫の解体費用を抑えるコツ
車庫の解体費用を少しでも抑えたいと考える方は多いと思います。解体には人件費や重機の費用、処分費用などがかかるため、全体のコストは高額になりがちです。しかし、いくつかのポイントを押さえることで費用を抑えることが可能です。ここでは、具体的な方法を詳しく解説します。
1. 自分で解体できる部分はDIYで行う
カーポートのような簡単な構造の車庫であれば、自分で解体することができます。特に、DIYに慣れている方や工具が揃っている方は、業者に依頼せずに自分で作業を行うことで費用を大幅に抑えることが可能です。
- カーポートの解体方法の例
- 屋根部分はポリカーボネート板を使用していることが多く、インパクトドライバーなどの工具で簡単に外せます。
- 骨組みもスチールやアルミでできているため、ボルトを緩めたり、インパクトドライバーでネジを外して分解できます。
- 支柱部分の地面との接合部はセイバーソー(電動のこぎり)でカットできます。
ただし、自力で解体する場合、安全対策が非常に重要です。必ず2人以上で作業を行い、解体中の怪我や事故に気をつけましょう。また、解体後に発生する廃材の処理も必要ですので、廃棄物の処理方法についても事前に確認しておく必要があります。
2. 複数の業者から見積もりを取る
解体工事を依頼する際は、複数の解体業者から見積もりを取ることが重要です。同じ内容の解体作業でも、業者によって費用に大きな差が出ることがあります。
- 業者選びのポイント
- 地元の業者だけでなく、少し離れた地域の業者にも依頼してみる。都心部に近い業者は人件費や運営コストが高い傾向にあるため、少し遠方の業者の方が安くなる可能性があります。
- 解体業者の口コミや評判を確認することで、信頼できる業者を選びましょう。安すぎる業者には注意が必要ですが、過剰な料金設定をしている業者も避けたいところです。
複数の見積もりを比較する際は、内訳の詳細をしっかり確認しましょう。「重機回送費用」や「処分費用」、「諸経費」などがしっかり記載されているかが重要です。
3. 廃材を買い取ってもらう
車庫の解体で出る鉄くずやアルミ製の廃材は、業者によって買い取ってもらえることがあります。特に、鉄骨造やアルミ製のカーポートは廃材として再利用価値があるため、リサイクル業者や解体業者に確認してみましょう。
廃材の買取可能な場合
鉄骨やアルミなどの金属部分はリサイクルできるため、廃材が**「鉄くず」**として買い取られることがあります。解体費用が一部カバーできる場合があるので、買取金額次第では解体費用を相殺できる可能性があります。
業者によっては廃材の買取を行っていない場合もあるため、見積もりを依頼する際に廃材の買取が可能かどうかを事前に確認すると良いでしょう。
4. 補助金や助成金が利用できるか確認する
車庫の解体では、補助金や助成金を利用できるケースがあります。これは、近年増加している空き家問題に対応するためのもので、老朽化した建物の解体を推奨するために設けられた制度です。
- 補助金の対象となるケース
- 一般的に、補助金や助成金は**「老朽化した家屋と車庫を同時に解体する場合」**に適用されることが多いです。車庫だけの解体には補助金が適用されないこともあるため、自治体に確認が必要です。
- 補助金の額は、自治体によって異なり、20万円~60万円ほどが支給されるケースもあります。
もし、家屋の解体も考えている場合は、家と車庫を同時に解体することで補助金を活用できる可能性があります。補助金の詳細は、お住まいの自治体に問い合わせて確認することをおすすめします。
5. 解体時期を考慮する
解体を行う時期によっても費用を抑えることができます。解体業者にとって忙しい時期や、天候の悪い季節を避けることで、コストを下げることが可能です。
解体業者が忙しい時期(年度末など)は、費用が高くなる傾向があります。逆に、閑散期(梅雨時期や夏季など)は比較的安くなることがあるので、これを狙って解体を依頼するのも良い方法です。
天候が安定している時期(春や秋)に解体を行うことで、作業がスムーズに進み、費用が抑えられる可能性があります。雨が多い梅雨や台風の季節は、工事が遅延しやすく、追加費用が発生することもあるため注意が必要です。
4. 車庫を自分で解体する場合の流れ
カーポートのようにシンプルな車庫であれば、自分で解体することも可能です。以下は、一般的なカーポートを解体する流れです。
① 屋根を外す
カーポートの屋根はポリカーボネート製の板でできています。これを1枚ずつ丁寧に外します。
② 骨組みを解体する
スチール製やアルミ製の骨組みを、インパクトドライバーを使って分解します。
③ 支柱を切断する
地面に固定されている支柱をセイバーソー(電動のこぎり)で切断します。
④ 地面の補修
切断した支柱の周りをモルタル(建材の一種)で補修します。
⑤ ゴミの処理
解体した瓦礫は、産業廃棄物として専門業者に処分を依頼する必要があります。
5. 車庫を解体するタイミング
次のような状況に該当する場合、車庫の解体を検討するのが良いでしょう。
木造や金属製のガレージは20~30年、カーポートは15年程度が寿命の目安です。老朽化した車庫を放置すると、事故のリスクもあるため注意が必要です。