住宅の基礎解体はいくらかかる？基礎の種類や費用を抑えるコツを解説

住宅の基礎解体はいくらかかる？基礎の種類や費用を抑えるコツを解説

1. 建物の基礎の種類

住宅の基礎には大きく分けて2種類あり、「杭基礎」と「直接基礎」に分類されます。住宅によく使われる基礎工法としては以下の3つが一般的です。

• 杭基礎（くいきそ）
  地面に杭を打ち込んで建物を支える工法です。地盤が柔らかい土地や液状化の恐れがある場所でよく使われます。

• 布基礎（ぬのきそ）
  建物の柱や壁の下に、逆T字型にコンクリートを打ち込む工法。日本の住宅で昔からよく使われており、地盤の強度が高い場所で利用されます。

• ベタ基礎
  床下全体をコンクリートで覆い、地盤に建物の重さを均等に分散させる工法。近年の住宅では最も多く採用されています。

2. 基礎解体の費用相場

基礎解体の費用は基礎の種類によって異なります。ここでは一般的な相場をご紹介します。

• 布基礎の解体費用
  1㎡あたり約1,500～2,000円です。50㎡の基礎を解体する場合、約75,000円がかかります。

• ベタ基礎の解体費用
  1㎡あたり約6,000円と高額です。50㎡の場合、約300,000円が目安となります。布基礎と比べると解体作業が複雑で費用が高くなりがちです。

• 杭基礎の解体費用
  1本あたり約30,000円で、杭の本数によって総額が変わります。例えば、30本の杭を解体する場合、約90万円がかかります。また、重機回送費などの追加費用も発生することがあります。

3. 基礎解体にかかる日数の目安

基礎の種類によって解体にかかる日数も異なります。

• 布基礎
  比較的シンプルな工法なので、早ければ1日で解体が完了します。

• ベタ基礎
  コンクリートが厚く、解体作業も大掛かりになるため、2～3日かかることが一般的です。場合によっては4日以上かかることもあります。

• 杭基礎
  杭の本数や状態によって工事日数が変わるため、現場によって異なります。事前に業者に確認しておくことをおすすめします。

4. 追加費用がかかる場合や基礎解体費用を事前に知るために必要なこと

住宅の基礎解体工事では、予定外の追加費用が発生することがあります。また、費用を正確に見積もるためには、いくつか準備が必要です。ここでは、追加費用がかかるケースと事前に必要な準備についてまとめます。

追加費用がかかる場合

1. 地中の埋没物が見つかった場合
   基礎解体中に、地中に埋まっている予期しない埋没物（埋設物や古い基礎、廃棄物など）が見つかると、撤去作業が必要になり、追加費用が発生します。

2. 杭（くい）を抜く作業が必要な場合
   杭基礎の解体では、杭の引き抜き作業が別途費用として発生します。1本あたり約3万円かかり、杭の本数が多いほど費用も高くなります。

3. 処分費用が別途発生する場合
   解体後の廃材やコンクリートの処分費用が見積もりに含まれていない場合、解体費用に追加されることがあります。見積もり段階で処分費用の確認が必要です。

4. 重機回送費がかかる場合
   杭基礎やベタ基礎の解体には重機が必要ですが、重機を現場に運ぶ「重機回送費」が発生することがあります。通常、20,000～25,000円が相場です。

基礎解体費用を事前に知るために必要なこと

1. 見取り図を準備する
   まず、解体予定の建物や土地の見取り図を用意しましょう。見取り図があれば、建物の基礎の種類が分かり、見積もりが正確に出せるようになります。施工業者や管理会社に依頼して、見取り図を手に入れましょう。

2. 現地調査を依頼する
   見取り図だけではわからないこともあるため、業者に現地調査を依頼することが大切です。現地で地盤の状態や基礎の劣化具合を確認することで、追加作業の有無や正確な解体費用を把握できます。

3. 複数社に相見積もりを依頼する
   費用を正確に知るためには、1社だけではなく複数の業者に見積もりを依頼し、料金や内容を比較することが重要です。各業者の費用内訳や、追加費用の有無についても確認しておきましょう。

注意点

• 見積もりに処分費用や追加作業が含まれているか確認
  解体工事では、資材の処分費用が見積もりに含まれているか確認しましょう。また、地中埋没物や追加作業による追加費用が発生する可能性についても事前に質問しておくと安心です。

基礎解体工事は費用がかさむことが多いため、事前準備や見積もりの確認が重要です。見取り図や現地調査を活用し、追加費用が発生する条件を把握しておくことで、予期せぬ出費を防ぐことができます。