浄化槽の撤去について～解体方法や費用をわかりやすく解説～

浄化槽の撤去について～解体方法や費用をわかりやすく解説～

そもそも浄化槽とは？

浄化槽とは、トイレやキッチンから出る汚水を処理してきれいな水に変え、川や海に放流できるようにする装置のことです。もっと簡単に言えば、浄化槽は私たちが日々使う水を衛生的に処理してくれる、家庭用の小さな水処理施設のようなものです。

浄化槽の素材には主に「FRP（繊維強化プラスチック）」が使われ、内部で汚水をろ過したり微生物が汚物を分解したりします。寿命は20～30年ほどなので、定期的な保守や交換が必要です。

浄化槽の種類

浄化槽には大きく分けて2種類あります。

1. 単独処理浄化槽（みなし浄化槽）

昭和時代に多く使われていた浄化槽で、トイレの汚水だけを処理しますが、キッチンなどから出る汚水はそのまま流されていました。現在では新設が禁止されていますが、全国の浄化槽の約60％がまだこのタイプです。

2. 合併処理浄化槽（合併浄化槽）

トイレの汚水だけでなく、キッチンやお風呂などの汚水もすべて処理してくれるタイプの浄化槽です。今後はこちらが主流となるとされていますが、現時点では設置率は約40％です。

浄化槽の解体方法

浄化槽の撤去方法には主に2つの方法があります。

1. 全撤去

浄化槽本体や内部の部品をすべて取り除き、土地をきれいにする方法です。費用はかかりますが、衛生的にも土地利用にも最も安心できる方法です。

2. 埋め戻し（または埋め殺し）

浄化槽の一部を解体して、残りをそのまま地中に埋める方法です。費用は全撤去より安く済みますが、後で土地を売却する際に再び掘り返して解体する必要が出る場合があるので、あまりお勧めできません。

浄化槽の解体費用

浄化槽の撤去費用は、浄化槽の大きさや設置場所によって変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。

• 住宅の解体工事と一緒に行う場合：3～6万円
• 浄化槽の撤去のみ行う場合：5～10万円

また、撤去前には必ず浄化槽内の清掃と消毒作業が必要です。この清掃費用は別途3万円前後かかることが多いです。

浄化槽撤去の注意点

1. 浄化槽の最終清掃と消毒作業

撤去する前に、浄化槽内の汚水をすべて清掃し、消毒する必要があります。これは法律で定められており、専門の業者に依頼しなければなりません。

2. 浄化槽廃止届の提出

浄化槽を撤去したら、工事が完了した日から30日以内に「浄化槽廃止届」を都道府県知事に提出する必要があります。各自治体のウェブサイトなどで申請書が手に入るので、工事が終わったらすぐに手続きを忘れずに行いましょう。