屋根葺き材の先行撤去の理由と種類【木造住宅解体】

屋根葺き材の先行撤去の理由と種類【木造住宅解体】

屋根葺き材を先行撤去する理由

屋根葺き材を先行して手作業で撤去する理由は、主に以下の3つです。

1. 分別のため

解体工事は「分別解体」が法で義務付けられており、廃材をリサイクルするために、可能な限り分別して解体を行います。もし、分別せずにいろいろなものを混ぜて処分場に持ち込むと、処分費用が高くなってしまいます。そのため、コストを抑えるためにも分別が重要なのです。

2. 屋根葺き材の滑り落ち防止のため

瓦やスレートの屋根は、勾配（傾斜）がついているため、重機で一気に解体すると、剥がれた屋根材が滑り落ちてしまいます。養生シートで囲っていても、全ての瓦やスレートを受け止めるのは難しく、隣家や周囲の建物を傷つけてしまうリスクがあります。そのため、屋根葺き材は先に手作業で取り外し、安全に解体を進める必要があります。

3. 屋根解体時に極力埃を抑えるため

屋根葺き材（特に瓦）をそのままにして重機で解体すると、大量の埃（ほこり）が発生します。瓦やスレートの下には長年の埃がたまっており、それが周囲に舞い上がるとご近隣の方々にも迷惑をかけてしまいます。そのため、屋根葺き材を先行して手作業で撤去し、散水しながら解体を進めることで埃の発生を抑えることが求められます。

屋根葺き材の種類

木造家屋の屋根葺き材には主に以下の3つの種類があります。それぞれの撤去方法や注意点についても見ていきましょう。

1. 瓦（かわら）

瓦は重く、瓦の下には土が敷かれていることが多いため、そのまま解体すると土埃が舞い上がります。瓦一枚の重さは約3kg～4kgで、大量に滑り落ちると大きな衝撃を与え、周囲の建物に被害を及ぼす可能性があります。瓦の撤去は一枚一枚手作業で行い、さらに土を丁寧に撤去します。

セメント瓦の場合、石綿（いしわた）を含むことがあるため、法律に従って厳密に分別して処分する必要があります。

2. スレート

古いスレートは石綿を含むことが多く、こちらも厳重に手作業で分別・袋詰めをして運搬します。もし重機で一気に解体すると、石綿を含む材料が飛散し、健康被害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。スレートも1枚約3kg～4kgの重さがあり、瓦と同様に滑り落ちると危険です。

3. 亜鉛メッキ鋼板（あえんめっきこうはん）

亜鉛メッキ鋼板は、屋根葺き材の中で唯一、重機でそのまま解体できる場合があります。この材料は滑り落ちることがほとんどなく、散水しながら解体すれば埃もあまり発生しません。重機で分別解体も可能で、屋根上での手作業が不要なため、費用を抑えることができます。

屋根葺き材の撤去費用

木造住宅解体のお見積りでは、例えば以下のような費用が発生します（解体する建物の大きさなどにより変動します。）

• 屋根スレート撤去費用：78,660円
• 2F屋根下地手壊し費用：79,485円
• 合計費用：158,145円

見積もりには、撤去面積や作業工程の詳細が記載されています。業者に確認し、適正な作業内容と費用について理解しておくことが重要です。