木造解体の特徴とは？費用相場や工事の手順を解説

3. 木造解体の手順を詳しく解説

木造住宅の解体は、しっかりとした準備と段取りが必要です。ここでは、木造住宅を解体する際の具体的な手順を、ステップごとに詳しく解説します。

1. 情報収集

木造住宅の解体を始める前に、まずは基本的な情報を集めましょう。以下の情報を調べておくと、スムーズに解体を進めることができます。

• 解体費用の相場：木造住宅の解体費用は、延べ床面積や立地条件により異なります。一般的には坪単価3万円～4万円が相場ですが、具体的な見積もりは後述する現地調査が必要です。

• 工事にかかる期間：木造住宅の解体には、準備段階を含めると1～2ヶ月ほどかかります。解体そのものは10日から2週間程度で完了します。

• 補助金制度：解体費用の一部を補助してくれる自治体もあります。空き家を解体する場合や、耐震性の低い建物を解体する場合など、条件を満たせば補助金が支給されることがあります。解体前にお住まいの自治体に確認しましょう。

2. 解体業者選び

情報収集が終わったら、次は解体業者を選びます。解体業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

• 見積もりを複数社から取る：解体業者によって費用やサービス内容が異なるため、必ず2～3社から見積もりを取りましょう。見積もりには、建物の解体費用だけでなく、廃材処分費や足場設置費用なども含まれているか確認します。

• 業者の信頼性：安すぎる見積もりを出す業者には注意が必要です。信頼性のある業者かどうか、口コミや評判をチェックし、施工実績も確認しましょう。

• 対応の良さ：見積もりの際の対応や質問への回答が丁寧かどうかも重要です。信頼できる業者を選ぶことが、トラブルを防ぐポイントとなります。

3. 近隣への挨拶

解体工事は、騒音や振動、粉塵が発生するため、近隣住民への配慮が必要です。

• 挨拶のタイミング：解体工事が始まる1週間前には、近隣住民に挨拶を行いましょう。挨拶の際には、工事の日程や騒音対策について説明し、迷惑をかけることを詫びると良いでしょう。

• 業者の同行：可能であれば、解体業者に同行してもらうことをお勧めします。業者が専門的な質問に答えてくれるため、近隣住民の理解を得やすくなります。

4. 残置物の撤去

建物内に残った家具や家電、生活用品などの不要物を「残置物」といいます。解体工事前に、これらをすべて撤去しておく必要があります。

• 自分で処分するメリット：残置物を自分で処分すると、解体費用を節約できます。自治体の粗大ごみ回収や、リサイクルショップへの持ち込み、フリマアプリを活用してできる限り費用を抑えましょう。

• 業者に依頼する場合：処分が難しい場合は、解体業者に依頼することもできます。ただし、業者に依頼すると「産業廃棄物」として処分されるため、費用が割高になることがあります。

5. 補助金の申請

解体工事に対する補助金制度を利用する場合、工事開始前に自治体へ申請が必要です。

• 申請の流れ：まず、自治体のホームページなどで補助金制度の有無を確認し、条件を満たしているか確認します。申請書類を提出し、自治体の担当者が解体予定の建物を調査に来ます。調査が完了し、補助金の支給が決定されると、工事が始められます。

• 注意点：補助金は工事前に申請しなければならないため、事前に確認と準備をしておくことが重要です。

6. ライフラインの停止

解体工事を行う前に、電気・水道・ガスなどのライフラインを停止します。

• 停止手続き：それぞれの供給会社に連絡し、解体工事の着工日までに停止するよう手続きを行います。停止が遅れると、ライフラインの配管が損傷し、火災やガス漏れなどの危険性があるため、忘れずに行いましょう。

• 業者との連携：解体業者と連携して、停止のタイミングを確認しておくとスムーズです。

7. 解体工事開始

いよいよ解体工事が始まります。解体工事は以下の手順で進められます。

• 足場設置と養生：最初に安全に作業を進めるための足場を設置し、養生シートを建物全体にかけます。養生シートは粉塵や騒音を抑える効果があります。

• 残置物・内装材の撤去：建物内の残置物を撤去し、壁や床、天井などの内装材を手作業で取り外します。

• 屋根の撤去：次に屋根を取り外します。瓦などの付帯物がある場合は、1枚ずつ取り外していきます。

• 建物本体の解体：屋根や内装材の撤去が終わったら、重機を使って建物本体を解体します。柱や壁、基礎部分も重機で一気に取り壊していきます。

• 地中埋設物の撤去：建物の解体後、地下に埋まっているガス管や水道管などの埋設物を撤去します。地中に残っていると、後の土地利用に支障をきたすため、しっかりと処理します。

• 整地・清掃：最後に土地を平らに整え、清掃を行って解体工事が完了します。整地の方法は、土地の活用方法に応じて異なりますが、通常は住宅用地に適したシンプルな整地が行われます。