アスファルト舗装の解体費用と注意点
アスファルト舗装の解体前に知っておきたい特徴
アスファルト舗装の解体に取り掛かる前に、まずはその特徴について理解しておきましょう。これにより、工事の進め方や費用の考え方がわかりやすくなります。
1. たわみ性が高い
アスファルト舗装の最大の特徴は、その「たわみ性」です。たわみ性とは、外部からの力に対して、ある程度柔軟に変形する性質のことです。例えば、自動車が頻繁に通行する道路では、重い車両の荷重が舗装に加わりますが、アスファルトはこの荷重に対して柔軟に対応し、ひび割れを防ぎます。このため、道路や駐車場などの舗装にアスファルトが広く使用されているのです。
2. 修繕がしやすい
アスファルト舗装は、日常的な維持や修繕がしやすい点でも優れています。たとえば、表面に亀裂が入った場合でも、その部分だけを簡単に補修することが可能です。このメンテナンスのしやすさが、アスファルト舗装の魅力のひとつです。
アスファルト舗装の解体は専門業者に依頼すべき理由
アスファルト舗装を解体する際には、専門業者に依頼するのが一般的です。その理由をいくつか挙げてみましょう。
1. 専門的な技術と機材が必要
アスファルト舗装の解体は、見た目以上に難しい作業です。解体には、専用の重機や工具が必要であり、これらを正しく操作するためには専門的な知識と技術が求められます。たとえば、大規模な駐車場や道路の解体には、重機を使用して効率的に作業を進める必要があります。こうした作業は個人では難しいため、専門業者に任せるのが安全です。
2. 廃材の適切な処理が求められる
アスファルトを解体すると、大量の廃材が発生します。これらの廃材は、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。もし、不適切な処理が行われると、依頼者にも責任が及ぶ可能性があります。そのため、信頼できる業者に依頼し、法律に基づいた適切な処理を行ってもらうことが重要です。
アスファルト舗装の解体方法
アスファルト舗装を解体する際には、以下のような工法が一般的に用いられます。それぞれの工法の特徴を理解して、どの方法が最適かを判断しましょう。
1. IH式工法
IH式工法は、アスファルトを加熱することで柔らかくし、解体する方法です。加熱によって舗装部分の接着が解け、重機を使って容易に撤去できるようになります。この工法のメリットは、騒音や振動が少ないことです。通常の解体作業では、騒音や振動が発生し、近隣住民に迷惑をかけることがありますが、IH式工法であればそのリスクを軽減できます。また、アスファルトの下に敷かれている鋼床版(こうしょうばん:アスファルトの下に敷かれる鉄製の板)に傷をつけずに撤去できるため、後の補修が容易になります。
しかし、IH式工法にはデメリットもあります。それは、作業に時間がかかりやすく、費用が高くなる傾向があることです。特殊な機械を使用しながら作業を進めるため、コストがかさむことがあります。
2. オーバーレイ工法
オーバーレイ工法は、アスファルトの一部分を剥がし、その上に新しいアスファルトを重ねる方法です。この工法の最大のメリットは、作業時間が短く、費用が安く済むことです。また、作業が短時間で終わるため、近隣住民への影響を最小限に抑えることができます。ただし、オーバーレイ工法は部分的な補修に向いているため、全面的な解体には適していません。
アスファルト舗装の解体費用相場
アスファルト舗装の解体費用は、厚さや面積によって大きく異なります。費用の目安を知っておくことで、解体費用の計画を立てやすくなります。
1. 厚さと面積で費用が決まる
解体費用は、アスファルトの厚みと面積によって決まります。一般的な費用の目安は以下の通りです。
- 厚さ5cmの場合:1,000円~/㎡
- 厚さ10cmの場合:1,500円~/㎡
厚みが増すほど、また、面積が広がるほど、解体費用は高くなります。特に、寒冷地のようにアスファルトが厚く敷かれている地域では、費用が高くなる傾向があります。例えば、北海道のような寒冷地では、アスファルトの解体費用が5,000円/㎡程度になることもあります。
2. 地域による費用の差
地域によっても費用に差が出ることがあります。例えば、寒冷地ではアスファルトがより厚く施工されているため、解体費用が高くなることがあります。このように、地域の気候や施工方法によって費用が異なることを理解しておきましょう。
アスファルト舗装を解体する際の注意点
アスファルト舗装を解体する際には、いくつかの注意点があります。これらを事前に確認し、安全かつスムーズに作業を進めるための準備をしましょう。
1. 業者選びに注意
アスファルト舗装の解体では、信頼できる業者を選ぶことが最も重要です。複数の業者から見積もりを取り、工法や費用を比較しましょう。また、廃材を適切に処理する業者を選ぶことも重要です。産業廃棄物の不法投棄を行う業者に依頼してしまうと、依頼者自身が法的責任を問われる可能性があります。
2. 近隣住民への挨拶を忘れずに
解体作業中は、どうしても騒音や振動、粉じんが発生します。事前に近隣住民への挨拶をしておくことで、トラブルを防ぐことができます。工事開始前に、作業の内容や期間を説明し、理解を得ておくことが大切です。
3. 駐車場を解体する場合の注意点
駐車場のアスファルト舗装を解体する際には、特に地中に埋まっているものに注意が必要です。以前に建物があった場所の場合、古いガス管や水道管、建物の基礎部分が残っている可能性があります。また、土地が埋め立て地の場合、地中にガレキが埋まっていることもあります。これらを撤去するためには追加作業が必要となり、費用や作業時間が増えることがあります。